人知れず悩んでいる男性が多い包茎。雑誌の広告と自分を見比べてはため息をついている、という方もいるのではないでしょうか。「これはやっぱりかっこ悪いし、手術が必要なんだよな・・・」でも、ちょっと待ってください。あなたには、本当にすぐに治療、手術が必要なのでしょうか。
1.包茎の度合いと治療・手術の必要性
1-1.包茎と年齢チェック
1-2.平常時のチェック
1-3.勃起時のチェック
2.衛生面と手術の必要性
2-1.清潔に保てるか?
2-2.汚れやすい?
2-3.傷ができないか?
3.コンプレックスと包茎
3-1.いつも隠したい・・・
3-2.言われてしまった
3-3.セックスに自信が持てない
4.衛生面と手術の必要性
というのは、実は自分が包茎である、と悩んでいる人の大半は仮性呼ばれる状態にあるのです。日本人男性の7割から8割は仮性の状態で、広告で見るように常に亀頭が露出している状態にある人は実はまれなのです。仮性自体は、クリニックの先生によっては「問題ではない」と断言する人もいるほどです。
とはいえ、素人判断で放置するのも心配です。そこで、まずは自分でできるチェックを行ってみてはいかがでしょうか。気になる項目をピックアップして、1つ1つ詳しく説明していきます。
包茎の度合いと治療・手術の必要性
まずは、あなたの包茎の度合いと手術・治療の必要度をチェックしていきましょう。
包茎と年齢チェック
Q1.あなたの年齢は?
A-1.20歳以下です。
まだ治療が必要なのかどうかは判断しかねます。というのも、本来ペニスは18歳から20歳前後にかけてが成長期だと言われています。つまり、成人前では成長が止まっていないので、しっかり判断ができないのです。
しかし、全くむけない、という場合は真性が懸念されます。成長過程で完全に覆われてしまっていると、ペニスの成長を阻害することもあります。また、亀頭の成長が妨げられ、いわゆる「先細り」という状態になりやすくもなります。
しかし、今から成長に従ってむける場合もあるので、現時点では急いで治療を、というよりもまずむけるかむけないかを確認しましょう。クリニックを受診して「とりあえずむけるかどうかを確認したい」と相談するといいでしょう。
全くむけない訳ではないが、まだうまく皮がむけない、というのは包皮輪が狭いために起こる現象です。治療しなくても、成長とともに広がってくる可能性もあります。ここで無理をして一度に全部むいてしまうと、亀頭の下が締め付けられうっ血する、という症状が出ることがありますので注意してください。痛み等特にない場合は緊急性もありませんので、もう少し様子を見ていても大丈夫です。
A-2.20歳以上です。
ペニスの成長はおおよそ止まっています。現段階で包皮が全くむけない、むこうとすると痛みを伴う、むけるけれど圧迫感や違和感がある、という場合は真性、またはカントンの可能性が高くなります。この場合はクリニックを受診し、様子を見てもらいましょう。治療は保険適用で行うことが可能です。
平常時のチェック
Q1.平常時、ペニスの状態はどうですか。
A-1.手でむけば亀頭を露出させることができる。
仮性、またはカントンの可能性があります。勃起時の様子を確認しましょう。問題なく痛みも伴わずに露出できれば仮性の可能性が高くなります。
仮性は、医師によっては「包茎ではない」と、手術を勧めないことが多いです。実際日本人男性のみならず、世界の男性でも7割から8割は仮性だと言われています。機能的に問題はないので、手術、治療の緊急性はありません。
しかし、痛みを伴ったり、違和感があったりするカントン状態の場合は、締め付けが強すぎるとうっ血して壊死してしまったりする可能性があります。また、包皮を無理にむいたらドーナツ状になって戻らなくなった、という際には緊急に病院やクリニックを受診して治療をしましょう。
A-2.手でむくことができず、亀頭を露出させることができない。
真性の可能性が高いです。放置しておくと、包皮内に恥垢が溜まり、雑菌が繁殖して不衛生になりがちです。性病にかかる可能性も高まりますので、早めに病院やクリニックを受診しましょう。
勃起時のチェック
Q2.勃起時に、ペニスの状態はどうですか。
A-1.亀頭が一部露出する。手でむけばきちんと露出する。
仮性と呼ばれる状態です。日本人男性の7割から8割はこの状態で、仮性は包茎に含まないと言い切る医師もいます。特に痛みがなければ問題ありません。治療の緊急性も特にありません。
A-2.手でむけば一部または全部露出するが、締め付けられる感じがある。
カントンと呼ばれる状態です。包皮輪が狭く、むいた時にペニスが締め付けられたり、違和感があったりする状態です。軽度の場合は仮性と同じ扱いですが、重度の場合、締め付けがきつくて痛みが激しく、亀頭の途中までしか露出できない、または無理に露出すると亀頭の下でドーナツ状に膨れ上がってしまいうっ血した状態になります。治療せず、そのまま放置すると痛みが激しくなり、ひどい場合は壊死してしまう危険があります。
この場合は、放置しておくと大変なことになりますので、病院またはクリニックを受診しましょう。治療は保険適用で行うことができます。
A-3.亀頭が全く露出しないし、手でむくことができない。
真性と呼ばれる状態です。包皮輪が極端に狭く、亀頭を露出させることができません。そのため、排尿や性行為等で支障が出る恐れがあります。また、常に覆われた状態になり洗浄ができないため、感染症などの病気になりやすくなります。また、亀頭と包皮が癒着してしまう可能性もあります。
真性が疑われる場合は、病院やクリニックを受診しましょう。いきなり治療というよりも、まずチェックをしてもらってください。自分ではむけなくても、医師にお願いすると可能な場合もあります。
衛生面と手術の必要性
次は衛生面に関してのチェックです。包皮に包まれた状態にある問題点は、清潔に保つことが難しい、ということです。普段は皮を被っているため、湿ったままになりやすいので雑菌も繁殖しやすく、不衛生になりがちです。亀頭を露出させて洗浄することができれば、入浴の際に状態をチェックしながら洗浄できるのですが、包皮に常に覆われている状態となると、恥垢が溜まりやすくなり、悪臭の原因になります。また、性病などのリスクがアップしますので注意が必要です。
清潔に保てるか?
Q3.きちんと洗浄ができますか。
A-1.平常時、または勃起時に亀頭を露出させて洗浄することができる。
仮性でもカントンでも、痛みを特に伴わずに亀頭を露出させることができれば洗浄が可能ですので、悪臭や性病、感染症などのリスクは低くなります。普段の生活に支障がなければ、衛生面に関しては問題ありませんし、手術や治療の緊急性もありません。
A-2.平常時も勃起時も亀頭を露出させることができない。
真性と呼ばれる状態です。亀頭が常に包皮に覆われている状態となるため、恥垢が溜まりやすいし、雑菌が繁殖しやすくなります。その結果悪臭を放ちやすくなったり、亀頭包皮炎や尿路感染症、性器ヘルペスといった性病になりやすくなったりします。この場合は早期に治療が必要です。治療が遅れ、長く放置しすぎると、悪臭が消えにくくなってしまいます。
汚れやすい?
Q4.ペニスに汚れが溜まりやすいですか。
A-1.はい、そうです。
真性の場合は皮を完全に被ってしまっているので、汚れは確実に溜まりやすくなります。包皮内に恥垢が溜まるとにおいがひどくなり、雑菌が繁殖しやすい状態となります。特に汗をかく季節になると、通気性のいいパンツをはいていてもムレてにおいがきつくなってしまいますので、こまめなにおいチェックが必須です。
また、汗をかきやすくなり、余計に雑菌が繁殖しやすいので、亀頭包皮炎や尿路感染症、ヘルペスなどにかかりやすくなります。性病は生殖機能に影響を及ぼすこともありますので、この場合は病院やクリニックを受診して手術や治療を行う必要があると言えます。
仮性の場合、大半はきれいにむけるので入浴の際などにきれいにしていれば大丈夫ですが、カントンのように完全にむくことができない場合には、真性同様汚れがたまりやすくなり、においはもちろん、雑菌の繁殖などが気になる状態となります。仮性、カントンでも汚れが普段から溜まりやすくて気になるという場合には、病院で治療の相談をしましょう。
傷ができないか?
Q5.よく陰毛を巻き込んで傷をつけてしまいませんか。
A.はい、よくあります。
これは仮性の人によくあるパターンです。包皮に陰毛が巻き込まれてしまう状態です。ペニスはとてもデリケートな部分ですから、陰毛によって傷つくこともあります。陰毛を巻き込むことによってよく傷ができたり出血したりする場合には、感染症などのリスクが高くなってしまいます。あまりに頻繁に起こり、かつ痛みや腫れ、出血などのトラブルがある場合には、医師と相談してみるといいでしょう。
コンプレックスと包茎
ここまでは、フィジカル面で手術や治療が必要かどうかをチェックしてきました。ここからはメンタル面を考慮して、手術や治療をした方がいいのかどうかをチェックしていきます。包茎がコンプレックスになっているかをチェックしてみましょう。
いつも隠したい・・・
Q6.温泉や銭湯では股間ばかり気にしてしまうのですが。
A.「もしかして人に笑われるのではないか」という気持ちが強く、堂々としていることができません。また、人のペニスがどうなのか気になって仕方がなくなります。温泉や銭湯は本来ゆったりとリラックスできる場所であるのに、包茎かもしれない、ということがコンプレックスになって楽しめないのであれば、治療を考慮してもよいでしょう。
仮性に関しては必要ないという医師もいますが、それが深刻な悩みになっているのならば治療するために手術をした方がいい、という医師もいます。ここにチェックがつき、気になるのであればまずは相談をしてみてください。ただし、仮性の場合は料金がやや高めになります。費用についてしっかり確認をしておきましょう。
言われてしまった
Q7.パートナーに指摘されてしまったのですが。
A.愛するパートナーにペニスをチェックされ、「これってダメなんじゃないの?治療した方がいいんじゃない?」と指摘されてしまうと、それが気になってセックスに集中できなくなります。また、「何か思われるんじゃないか」と気になってしまい、EDになってしまったり、セックスレスになってしまったりすることもあります。性の不一致で別離、というようなことも実際に起こり得ることです。そこで思い悩んで愛する人を失ってしまうよりは、手術や治療で悩みを解決を考えるという方法もあります。
実際の問題として、男性が包茎の場合、雑菌が繁殖しやすい状態にあるのでセックス相手である女性にもリスクが及びます。細菌が原因の膀胱炎などがよくありがちなことです。また、子宮頸がんのリスクも高まるという調査も出ています。
コンドームを装着して、しっかりチェックして性交に及んでも、包皮に覆われているペニスの場合は外れやすいので病気の懸念の他、予定外の妊娠の可能性も高まります。妊娠を望んでいないのにコンドームが外れやすいという場合には、パートナーのことを考えて治療を一考するのもありでしょう。
セックスに自信が持てない
Q8.早漏なのではないかと気になって仕方がないのですが。
A.包茎の場合は普段から亀頭が常に包皮に覆われた状態になっていますね。つまり、常に外部から受ける刺激を防いでいるのです。その分亀頭が刺激に慣れていなくて敏感になってしまいます。ですから、セックスの際にその刺激に耐え切れず、短時間で射精してしまうことが多くなります。
Q9.包茎なので、セックスに対して全然自信が持てないのですが。
A.真性の場合は、セックス中にピストン運動をしても包皮の中でペニスがこすれてしまうだけとなります。女性に対して快感を与えることがないのに自分には強い刺激を与えてしまうので、早い遅いの問題のみならず、セックス自体がうまくいかなくなってしまう可能性も高くなります。
また、不衛生な状態になりやすく、状態を見ることもできないので性病が発覚しにくく、知らず知らずのうちにパートナーに移してしまっていることもあります。子宮頸がんのリスクがアップするなど、自分以上に相手にダメージを与えてしまいます。
また、パートナーが感じていないのではないかと気になってしまい、EDに陥ったり、セックス恐怖症になってセックスレスまっしぐらということもあります。そこまで思い悩んで生活に支障が出るくらいならば、悩みを解決するために手術を考えるのもいいのではないでしょうか。
仮性の場合は、普段亀頭が包皮に覆われていることが多いため、刺激に弱くなり、早漏気味になる人も多いです。しかし、早漏が100%ダメなのかというとそうでもありません。女性によっては「感じてくれているのだからうれしい」「早い分、何度もできるのでいい」という答えが返ってきます。
ついつい、セックスは強い方がいいと思い込んでしまいますが、それはお相手次第です。お相手が気にしていなければ、早漏もデメリットにはなりません。無理をして治療をする必要はないのではないかと思われます。
あなたはどうでしたか?
一問一答チェック、いかがだったでしょうか。ただただ広告に踊らされて「包茎は治療・手術しなきゃ」と思っている方には目からウロコという内容が多かったのではないでしょうか。自分には何が当てはまるのか、そして手術や治療が本当に必要なのかを、しっかりチェックしてみてくださいね。