包茎手術を決断する前に

コンプレックス

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実の所、日本人の成人男性の6割から7割が包茎である、と言われています。そして、その中の8割が仮性である、ということも言われています。ちなみに、世界の包茎率というのもやはり7割ほどです。しかし、海外では割礼という名の手術が幼いころに行われていることも多いのです。

日本では、まだまだ自分で受けなければいけないものですから、やはり不安はつきもの。ある程度の知識を持って、手術するかしないかを決定したり、手術に臨んだりしたいものですね!

まず、包茎治療についての知識を

こちらでは、包茎治療、そして手術に関しての不安を取り除き、学ぶためにQ&A形式でそれについての知識をお伝えしていきたいと思います。

包茎について知る

Q.包茎の種類にはどのようなものがありますか?

A.ここで誤解のないように言っておきます。仮性を含めると、日本人の7割から8割はいわゆる包茎の状態となります。これは世界でも同じような割合です。ですので、よく美容外科クリニック等の広告で「これが正常なペニスです」と謳われる、手で皮をむかなくても亀頭が露出されている天然露茎と呼ばれる状態にある人は極めてまれだと言われています。そこを頭に置いていただいて、説明を続けていきます。

●仮性包茎
普段は亀頭が自然に包皮にくるまれているが、手で反転すればきちんと露出させることができるペニス。一度反転すれば戻らない人、戻る人などそれぞれですが、きちんと亀頭を出すことができれば手術は不要です。これが圧倒的多数の日本人男性の状態で、いわば標準の状態。実は包茎でも何でもないのです。これは、亀頭を露出させた際にマフラーのような状態になってしまう、包皮輪狭窄を伴った仮性においても同じです。

汚れやにおいなどが気になる、という場合には、入浴の際にケアをすれば問題ありません。温泉など人が多い所や性交の際には、前もって包皮をむけば大丈夫です。そしてマスターベーションの際は、無理に皮をむかなくても自然なままで大丈夫です。よく、皮をむかずにやると皮がのびるとか、厚くなると言われたりしますが、きちんと亀頭が出せるのであればそれも問題ありません。

仮性という言葉自体、いつ頃メジャーになったのかよく分かりませんが、自然な状態であり機能上何の問題もありませんし、日本人の標準ペニスです。それなのにこれだけ広く知られるようになり、気にする人が増えたのは、やはり大手チェーンである美容外科がむやみに広告を大量にばらまき、ちょうどペニスなどを気にする時期である青少年の不安を煽りたてたためでしょう。

そして今からご説明するのが、いわゆる包茎で、手術をした方がいいものとなります。

●真性包茎
包皮を反転しようとしても亀頭の露出が全くと言っていいほどできないペニス、または先端だけしか露出できないペニスで、女性に嫌がられることもあります。

しかし、ここで注意してほしいのが、真性だと思い込んでいるだけの場合がある、ということです。実は、包皮を反転しようとしても亀頭部の露出ができないのは、包皮と亀頭の癒着が強いだけ、という場合が圧倒的多数なのです。特に幼い子どもに関してはこの場合がほとんどです。

分かりやすく例えると、粘着力の高いシールのようなもの。ですから、まずはお風呂に入った際に、ゆっくりとはがすようにむいてみることをお勧めします。自分では難しい、痛そうで怖い、という場合には、迷わず泌尿器科を受診しましょう。その方が、真性なのかそうでないのかもすぐに分かるので、むしろ悶々とせずに済みます。

ですので、いきなり手術を、というのではなく、「むけるかむけないか、とりあえずやってみてほしい」ということを伝えましょう。それでも1件では判断が難しいこともあるので、複数の泌尿器科を受診してみることをお勧めします。

●嵌頓(カントン)包茎(かんとんほうけい)
これは真性ではなく、仮性の一種なのですが、マフラーと呼ばれる部分である包皮輪が水膨れになってしまった状態です。数日放置しておけば水膨れは収まることが多いのですが、激しい痛みやその他のトラブルを伴う場合には、早急に泌尿器科を受診しましょう。このカントンは、仮性の一種とはいえトラブルが起こることが多いので、手術を勧められることが多いでしょう。

包茎手術について知る

Q.手術はどこで受けられますか?

A.CMや広告を見ると〇〇クリニック、とあることが多いので、何となく美容外科だと思っているかもしれませんが、一般的には、やはり泌尿器科で治療を受けるのが自然です。広告もよくよく見ると、この「泌尿器科」という文字が入っている所が多いはずです。整形外科や美容外科でも取り扱っていますが、基本的には最初はいくつかの泌尿器科を回ってみることをお勧めします。病院に行くのが恥ずかしい、なんて考えないでください。大丈夫、泌尿器科では医師も看護師も、ペニスを扱うのが日常茶飯事なのですから。堂々と診察を受けてください。

Q.包茎手術ってどのくらい時間がかかりますか?すぐ普通の生活ができる?

A.トラブルが起こらないように丁寧に行うので、1時間弱くらいは必要となります。病院や医師にもよりますが、カウンセリングや説明などを含んでも2時間以内に終了します。つまり、日帰りで受けることができるのです。

しかし、普通の手術と同じく当日はシャワーや入浴は禁止。シャワーは翌日から、入浴は仕上がりや経過がよければ1週間後から、となっていますし、運動はトラブルが起きる可能性がありますので、1月ほど控えるように言われます。

Q.結局、手術ってした方がいいんですか?

A.治療の要不要は、医師によってもかなり見解が分かれているというのが現状です。適応性は医師によっても見解が分かれています。「真性でも切らなくていい」と言い切る医師もいる一方、「それが悩みになっているのなら治療した方がいい」という意見を持つ医師もいます。

実際には亀頭がちゃんと出せても、性交の際、そして勃起の際に問題がある、と感じるのであれば、やはり治療をした方がいいのではないかと感じますね。本当に、ペニスに関する悩みというのは十人十色なのです。

しかし、実際は対して悩んでいないのに、広告などに影響され「仮性ってかっこ悪いんだ・・・」と思い悩んでしまったり、知識がないままに安易に治療を受け、べらぼうな金額を請求されたり。しかも傷が残ったり、逆に機能面に不具合が出たりしてトラブルになるという事例が後を絶たないのです。

何でも鵜呑みにしてしまい、安易に行動するのではなく、正しい知識を得て、それから本当に対処をする必要があるのかを考え、まずは泌尿器科を受診。それから治療方法を考えても決して遅くはないのです。

手術とお金について知る

いくらかな

Q.金額はどのくらいかかるのでしょうか。

A.ざくっと言えば、保険が使える場合は1~3万円程度、適用外の自由診療である場合は開きがありますが、大体7~15万円程度だと思ってください。術後の処置まで入れてこの金額の範囲内であれば「まあ、そんなものかな」です。しかし、これを上回る場合は待ったをかけた方がいいでしょう。

別のQ&Aでもお伝えしたように、その手間や人件費などを考慮すると、保険診療では負担が大きいし、医師によっては保険適用外の15万でも高い、と苦言を呈します。今は訴訟のリスクなども大きいので、「それは高すぎる!」と言えないのも現状です。しかしこれは、あくまでも手術を受けたい患者さんのためのご説明ですので、上記金額を「適正」として進めていきます。

「同じ保険診療でも何でそんなに差があるの?」と思われるかもしれませんが、これは術後の経過の個人差、そしてそれぞれの医師で治療方針も変わってくることに起因しています。例えば術後の経過を見ながら投薬を行えば当然金額が上乗せされます。入院と日帰りでも異なるでしょう。そして、健康保険の種類でも負担の割合が変わり、金額に差が出る場合もあります。

また、ご自分で医療保険や生命保険に加入している場合は、給付金が出て、金額負担が軽くなる場合がありますので、これは事前にチェックしておくとよいですね!

Q.手術って保険が使えるんですか?

A.ほうけいの種類には3つあるのですが、その中でも真性とカントンは病気とされるので、保険が使えます。参考までに、平成26年度における保険点数表についての情報を述べておきます。「第2章 特掲診療料 第10部 手術 第1節 手術料 第11款性器 (陰茎) 区分番号 K828 ホウケイ手術」という項目には、 「1 背面切開術 740点」「2 環状切除術 2040点」と記載がされていますので間違いありません。

しかし病院、特に治療の件数が多い個人開業医になると、治療に保険を適用してしまうと、病院側の費用の負担が大きくなることがあるのです。本来ならば保険適用で悩みを解決してあげたいという気持ちはあるのでしょうが、自由診療、つまり保険適用外としてオペを行わざるを得ないというところです。技術や時間が必要となる割に診療報酬が少ない、という現状が患者さんへの負担を大きくしてしまっているのです。

そしてここが要チェックなのですが、この良心を痛めつつ保険適用外で対応を行っている病院以外にも、同じように保険が使えないところがあります。その中には、実は保険医の認定を受けていない所があるようです。後々のことまで考えると、やはり認定を受けたところの方がよいです。きちんと確認しましょう。そしてもう1点大事な確認ですが、悩んでいる方が多い仮性、こちらは基本的に保険適用外です。しかし、状態によるところが大きいので、まずはお医者さんに相談してみてください。

Q.保険を使うか、いわゆる自由診療か・・・実際のところ、オペに差はあるんですか?

A.病気だと診断される真性の場合、治療には保険が使えます。どうしてもこの先生にしてもらいたい、という方がいなければ、総合病院等の泌尿器科で手術を受けるのが良いでしょう。

医師に対するこだわりがあるのであれば、保険適用外の自由診療でも、その医師のオペを受ける方が安心&納得できると思います。確かに、広告等で見かけたり、口コミなどで話題になるような個人開業医系の泌尿器科は、手術の件数が圧倒的に多いとは思いますので、安心感を優先したい、慣れている先生にお願いしたい、という場合には最適でしょう。

自由診療=ぼったくりというようなイメージを持つかもしれませんが、別のQ&Aでも述べたように、一般開業医だと保険を使って包茎治療をすると病院自体の維持経営に支障をきたす場合もあり、自由診療で、という選択をしているところもあります。保険が使える、使えないを優先するのか、それとも自分の中の医師等のこだわりを優先するのかが最終的には決定の要となるのではないでしょうか。

Q.病院や医師を選ぶのに、何を重視したら安心ですか?

A.「今すぐしないと!」というふうに、考える暇を与えずに手術をさせようとしたり、「包茎はダメだよね」というふうに、馬鹿にしたようなところがあったり、「ついでにこれも一緒にしておいた方がいいですよ」というふうに別の治療も抱き合わせで勧めてくるような病院や医師はあまりお勧めできません。

そして、当然と言えば当然ですが、こなした数が多い、経験豊富な医師を選ぶようにしましょう。あれこれ聞いたら失礼だと思われないか、疑っていると思われて邪見にされないか、という心配がある場合には、きちんと「先生の技術は信頼していますが、やはり気になるので・・・」というように前置きをして後、質問をしてみましょう。そのほうが仕上がりも自然できれいになりやすいです。

誰もが不安なのは医師も分かっています。ですから、きちんと患者のことを考えてくれる医師ほど「しっかり考えて決めてください」と言うはずです。こと包茎治療のように、よほどのことがない限り緊急性がないようなものは、考える猶予をきちんと与えられるものです。

未成年、学生の手術について知る

ちょい待ち!

Q.学生なのですが、もし保険を使ってオペを受けた場合、親に知られてしまいますか?

A.学生さんは、被保険者である親御さんの扶養、という形になっていると思いますので、受診年月日、受診医療機関、治療費などが記載された「医療費のお知らせ」という通知が健康保険組合などから被保険者である親御さんに届けられますので、どうしても知られてしまうと思います。ですので、前もって親御さんに相談しておいた方がいいでしょう。

普通の親であれば、子どもが悩んでいることに対して真摯に向き合い、サポートをしてくれるはずです。包茎は決して恥ずかしいことではありません。1人で悶々と悩まず、親御さんに相談してみましょう。きっと心も軽くなると思いますし、その後の対応がスムーズになります。

Q.未成年者(学生等)が手術する場合には、保護者の同意が必要になりますか?

A.本来、未成年者の手術に対して医師が保護者の同意を求めることに法的な根拠はないのです。しかし、一般的なこととして、未成年者のことについては保険を使う使わないに限らず、医師や医療機関は保護者に同意を求めます。ですので、前もって親御さんに相談をしていただくことをお勧めします。普通の親御さんならば、子どもの悩みにきちんと向き合い、サポートしてくれるはずですよ。

術後のトラブル対処について知る

Q.もし手術後に何らかのトラブルが発生した場合、どうしたらいいでしょうか?

A.まずは治療を行った病院に問い合わせをし、再度受診しましょう。非常事態の場合は、お近くの泌尿器科を早急に受診して相談をしてください。料金に関するトラブルの際には、病院よりも先に、消費者生活センターに相談をしましょう。参考として、国民生活センターのURLを掲載しておきます。国民生活センター http://www.kokusen.go.jp/map/

あせらなくても大丈夫!

いかがでしたでしょうか。包茎の治療は緊急を要するものはほとんどないのが現実です。ですから、正しい知識を得てからでも遅くありません。きちんと不安を取り除いて、自分なりに納得し、やはり何とかすることが必要だと感じるのならば、それを受けるように準備をしていきましょう。

包茎手術の決断の前にチェック

包茎治療において治療の内容、そして包茎とは何なのかなど知っておくべきことがたくさんあります。それでは、これまでの内容を一度簡単にまとめてみましょう。

まとめてチェック

包茎についてのあれこれをまとめて

・包茎の種類には仮性、真性、カントンがあります。

・仮性を含めると日本人男性の7割から8割は包茎であるといわれています。日本だけではなく世界においても同じように包茎の割合はとても多いのです。

・仮性は普段は亀頭が包皮に覆われていますが、手で剥こうと思えばすぐに剥くことができます。しっかりと亀頭を露出させることができれば手術をする必要はありません。この状態の日本人男性が大半です。

・仮性であるにもかかわらず、汚れや臭いが気になるのであれば、洗浄の仕方に問題がある可能性がありますので、一度しっかりと包皮を剥いて洗浄しましょう。

・仮性は生殖機能という点においては何も問題はありませんし、日本人にとってごくごく一般的なペニスです。良くないものであると思われがちですが決して焦る必要はありません。

・真性は亀頭を一生の露出させることができない状態です。良くないものであると思われがちですが決して焦る必要はありません。

・真性は亀頭を露出させることができなかったり、露出できても先端部分だけという状態になります。真性の場合には治療が必要になりますが、もしかすると真性包茎であると思い込んでいるだけの場合もあります。

・仮性であるにもかかわらず、亀頭と包皮との間に癒着が起きていると、簡単に剥くことができない場合があります。その結果真性であると勘違いしてしまうことがあります。どうしても自分で剥けないような場合にはいちど泌尿器科や桂クリニックでどの程度癒着が起きているのか、仮性包茎なのか真性包茎なのかをはっきりとさせましょう。

・カントンは仮性の一種ですが、激しい痛みを感じていたり、亀頭がうっ血しているような場合にはペニスに様々なトラブルが起こる可能性がありますので、手術を勧められることが多いです。

・包茎治療といえば専門クリニックだと思われている方も多いかもしれませんが、まずスタートは泌尿器科で問題ありません。複数の泌尿器科を受診して自分のペニスがどのような状態なのかを明確に把握しておきましょう。

・泌尿器科で包茎の悩みを相談するというのは恥ずかしいと思われるかもしれませんが、全く恥ずかしいことありません。

・CMや広告を見ると〇〇クリニック、などと紹介されていることが多いので、包茎といえばやはり包茎クリニックで治療を受けるものだと思われている方が多いですが一般的には、やはり泌尿器科で治療を受けるのが自然です。

・整形外科や美容外科でも取り扱っていますが、基本的には最初はいくつかの泌尿器科を受診してみる、というのがおすすめです。

・病院に行くのが恥ずかしい、なんて考えなくても問題ありません。泌尿器科においては医師や看護師も、男性のペニスはごくごく日常的に見ているものなので特に気にもしません。

・トラブルが起こらないように丁寧に手術を行いますので、1時間弱くらいは必要となります。病院や医師によって差もありますが、カウンセリング、説明といったものを含んでも2~4時間あれば終了となります。

普通の手術と同じように、手術当日にはシャワーや入浴は禁止です。シャワーは翌日から、入浴は仕上がりの具合や、経過によって異なりますが、1週間後から運動は1か月程度は控えるようにすべきだといわれています。

・治療の要不要は、医師によって見解が異なりますが、適応性は医師によっても見解が分かれています。真性でも切らずとも良いという医師もいますが、それが悩みになっているのであれば治療をした方がよいです。

・亀頭がしっかりと出せても、性交の時や勃起をするときに問題があると感じているのであれば治療をした方がよいのではないかと感じるでしょう。ペニスに関する悩みというのは十人十色なのです。

実際のところは悩んでいないのに、広告に影響されることによってかっこ悪いのではないか、と思い悩んでいたり、知識がないままに治療を受けて高額な金額を請求されたり、傷が残るなどトラブルになると事例が後を絶ちません。

。何でも鵜呑みにしてしまうことで、安易に行動するのではなく、正しい知識を得て、それからどう対処うるのかを考えたうえで泌尿器科を受診すべきです。

保険が使える場合は1万円から3万円程度で、適用外の自由診療でもある場合には開きがあるのですが、7万円から15万円程度となります。

・術後の処置まで入れて7万円から15万円という範囲内なので、これを上回るのであれば少し料金が高額になり過ぎていると考えて良いでしょう。

・もちろん料金が高額になったとしても、それ相応の料金であれば問題ありませんが、そうでなければそのクリニックはあまり信頼できないと考えた方がよいかもしれません。